中部山岳国立公園 飛騨・乗鞍山麓
〜五色ケ原 カモシカコース(滝めぐり) 8月18日〜
運転免許証がなかった頃はバスで、その後標高2702mの畳平までスカイラインを利用して自家用車で乗りつけ、5回以上は乗鞍岳に登っている。 そればかりか長野県側に降りたり、長野県側から登ってきたりで、いつでも気楽に楽しめる乗鞍岳(3026m)であったが、3年前(?)に環境問題から自家用車の乗り入れが禁止となり、乗り入れ可能な最後の年に行ったきり縁が遠くなった。
昨年、その乗鞍岳が生みの親となる五色ケ原の原生林を巡る2つの散策コースが出来た事が報道され、高山方面に車旅をしたおりパンフレットを手にいれ、今回の計画実行となった。 生みの親と言うのは乗鞍岳の火山活動によりこの五色ケ原が生まれたと言う事です。
2つの散策コースは「滝めぐりのカモシカコース」と「池めぐりのシラビソコース」です。
先に滝コースを終えてから池コースに参加してくださいと紹介されています。
乗鞍岳の火山活動は古期と新期に分けられ、五色ケ原の形成に関係する火山体は、古期の烏帽子火山体と、新期の恵比須火山体、権現池火山体で、先に形成された「カモシカコース」を最初にと言う事のようです。 どちらも所要時間は8時間と表示されていますが同伴ガイドさんの話では「滝めぐりカモシカコース」のほうがキツイと言っておられました。 8時間の内、食事休憩や一時休息を含んで7時間はビッシリです。 残りの1時間は出発点に戻ってくるマイクロバスの所要時間(約45分)と終点地での休息です。
もう一つ”散策コース”などと紹介されていますが、確かに距離的には約7Km前後ですが、連続しての上り下りです。 私の平地での散策(散歩)経験からすれば、疲労度は20Kmはあると感じました。 普段から歩いているか、予備訓練をして参加することをお薦めします。
乗鞍山麓五色ケ原公園の自然環境を厳正に保護・保全し、適正な利用を図るために入山は指定ガイド同伴が必要ですし、一日の入山者数も限定していると聞きました。
それ故に、雄大な自然に恵まれ、永年、未踏の秘境として守られてきた魅力は確かにありました。 地元の方でもこの地に入り込むと戻ってこられなくなったことが過去に幾度もあったとも教えられました。 かっては、乗鞍信仰の修験道者が滝行をし、烏帽子岳を経由して乗鞍に登る危険な修行の場でもあったようです。
では、写真で紹介しましょう。
入り口の看板ではなく終点地のものですが・・

久手御越滝
入山口標高1360mから1・7Km、浅い沢を渡り、ダラダラと登って標高1500mの久手御越滝です。 落差は58mで女性的な優美な滝との解説ですが、飛沫が降りかかりとてもやさしい滝とも思われませんでした。(あとの滝との対比によるのでしょう)
ここからこのコースの最高点1620m牛首に向かいます。 滝からは尾根越えの登り、ガラガラの礫が斜面を覆い常に足元に注意が必要です。 「山の中は涼しいね」などと言っていましたが、牛首に登りきった時には一汗どころかビッショリでした。 (なを、この地点でギブアップの方は「朴の木平スキー場」からの林道が近くまであり、引き返し可能との事でしたが、その必要は誰もありませんでした)
牛首から池之保御興谷への下りに入ります。 樹林に隠れて滝の全貌は見えませんが、溶岩が連続している様子はうかがえます。
急斜面をジグザク降りますと(一気には降りられません、斜角度は60〜70度でしょうか)谷にでました。 丸木橋を渡った先が池之保御興滝(1450m)ですが、最下部しか見えません。

池之保御興滝
ここから高低差はほとんどありませんが、崖錐斜面を横切り、柱状節理の「炭木岩」が現れたり、岩場が剥離した柱状の岩が沢山転がっています。 足場の悪い道が続きイタヤカエデが多く「楓沢」と呼ばれているところをを渡ります。 この頃から時に列が長くなり、立ち止まったままで休憩を入れて急坂を克服すると1500m烏帽子小屋です。

尾根上の 烏帽子小屋
山小屋(休憩と避難施設)と言ってもこの小屋は沢の水を利用して発電をしておる水洗エコトイレ付きです。 暖か便座に 温水も出るウオッシュレットです。 ご婦人達からトイレから出てきたくないとの声も聞かれました。 山のお天気です、サーと雨が降ってきました。 が、大したことなく止みました。 スタート地点から3・6Kmのところです。
弁当分が減ったといってもリュックの重みには変化がないように感じます。
ここで、当日参加のメンバーを紹介しましょう。 2班に分かれました。 ガイド1人を加えて各8人構成です。 A版は男性一人に後は同好会のメンバーなのでしょうか、登山ルックも装備も良く揃った全員60歳前後のご婦人ばかりです。
私たちのメンバーは一人参加の40代前半の男性の他は、旦那が定年退職後の夫婦連れが3組です。 私たちのガイドさん(地元の50代後半の女性ガイド)は適度な距離間隔を保とうとするのですが、烏帽子小屋までは知らぬ間に何度もA班に追いついてしまいました。 その後の後半も同じような状況です。
リュックにカラフルなカバーがかけられていましたA班。
さてここからが本コースのクライマックスとなります。
ブナ林、サワグルミ林(沢胡桃沢)に一度降りてから「ネズ壁」の急斜面に入ります。
ネズと言うのはクロベの別名「ネズコ」の事です。 そのネズコが壁のように林立している事から名付けられたとのことです。 が、壁は行く手に立ちはだかっているカベと思えます。 知らぬ間に疲れが出てきているのでしょう足元が怪しくなります。 中間地点まで下ると青垂滝と飛沫で濡れた柱状節理の大岩壁が眼前に立ちはだかり、そのスケールに圧倒されます。
ガイドさんの浮石がありますから注意してくださいの声に、後ろの方にそのことを告げながら急降下します。 この難所を越して青垂滝です。 まずは写真を・・・

この柱状節理の大岩壁に滝が 滝下の大流木が橋の役目を果たす
大流木をアップで撮りました

青垂滝(雄滝) 奥に見えるのが雌滝と思います
ところで、青垂滝は雄滝と雌滝とに分かれているのですが、勇壮な雄滝ばかりに目が行って、雌滝単独のシャターは忘れてきてしまいました。
雄滝は2段に分かれており滝の落差は約90m、雌滝は上段だけが約74mの滝となっておる。 水量は雌滝の方が多いとの事です。
この滝を眺めながら思い出しました。 出発後直ぐからほとんど最後まで湿気のあるところ、沢の周辺に紫色の花が紹介されました。 ヤマトリカブトです。
ヤマトリカブト
もちろん、山菜の宝庫ですが、有毒植物も含めて採取禁止です。 ガイドさんが「中途半端に食べると、かえって元気になる」と言うものだから、皆さん苦笑しておられました。
この時期は花が少ない時との事でしたが、それでも数々の花を紹介されました。 初めの内は記録しておりましたが、上り下りの急坂にいつの間にかカメラはリュックの中でした。 最後になだらかな道に入ってところで、今回のトレッキング中に何度か見かけた赤い美の「ゴゼンタチバナ」を紹介します。 この実は葉が4枚のものには花が咲かず、6枚のモノにしか白の花がつかないとの事です。 そして今頃赤い実となります。

以上で乗鞍山麓・五色ケ原・滝めぐりカモシカコースをおわります。 春の新緑・秋の
紅葉はまた趣が異なり素晴らしいとの事です。
「池めぐり・シラビソコース」の出発点であり、「滝めぐり・カモシカコース」の終点でもあります布引滝の展望台でお別れします。

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