「地球は水の惑星」といわれているが、地球上の97・5%は海水。
飲用水にできる淡水は2・5%しかなく、そのうち90%が南極・北極などの氷雪であり、人の手の届かない地下水同様に飲む事ができない。
残りの0・25%が手の届く水であるが、浄化された水でなければ飲めない。
では浄化された水はどこにあるのか。 人の作った浄化装置でつくる水の量は極めて少なく、実はほとんどが森で浄化されている。その量は全体の0・1%以下、そのごくわずかな水で僕らは生きている。
しかしその森と水のバランスさえも危うくなってきた事をぜひ知ってもらいたい。
(中略)
日本の杉・檜の蓄積量は戦後直ぐに比べて3倍以上に育っている。
日本の木も針葉樹なら切って使い、広葉樹も除間伐したほうが世界的にも意味がある。
(中略)
良い森には雨が60%保水されるが、木のない山では95%が流される。
こういうことは都会に住むとどんどん分からなくなる。
(中略)
生活の基本を見つめ直し、水を考えるだけで、生き方は相当変わる。
空気と水の大切さを体験する機会を、もう一度持つべきであろう。
どんどん成長する木を植えると、気持ちが変わり、世界が変わるのではないかと思う。』
〜飛騨高山において1974年オークビレッジを創設され、1976年、飛騨・清見村(高山市の隣村)に本拠地を移した稲本さん。
今でこそ日本全国はおろか、世界の自然環境の保護・再生に奔走されておられるが、創設当時は多分大変な思いをされた事だろう。
私は1996年にオークビッレジが運営する「シルバアンクラブ」の会員となった。
当時送られてきた“1995冬〜1996春”の作品が紹介された小冊子(A5?
縦21×横11・5Cm、表紙・裏表紙を含めて8ページ)「森と心」が手元にあるが、最近送られてくるカラー冊子とは雲での差である。
バブル崩壊後、時代がその考え方とそこから生まれてくる作品、活動に共感を呼び、多くの方の注目するところとなっての事だろう。 私自身清見村にドングリを拾いに行ったり、各種行事に参加させていただき色々勉強させていただいた。
今このように氏と「オークビレッジ」そして関連するNPO[どんぐりの会]、「木の文化」を担う人材養成機関「森林たくみ塾」など活躍の場が広がり、今後ますますその輪が広がろうとしている事に嬉しさを感じると同時に更に多くの方々が自然・空気・森・水に関心を持ってもらいたいものだと思う。
来年4月、稲本さんが校長に就任された「トヨタ白川郷自然学校」が“日本一美しい村に、日本一の自然学校を”とオープンすることが既に発表された。
宿泊施設もあり、様々な事が学べる体験コースも用意されると聞く、一度訪問したいものである。
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