12月10日 朝刊
「読書」欄より 『芸者論」 岩下 尚史・著 評者 石井 妙子
『芸者と呼ばれた女達が誕生するのは江戸時代のこと。
だが、本書は溯って「巫女」と神の間で行われた神事の記憶こそが花柳界を支えてきた日本人の心性であると論じる。
巫女たちは白拍子となり、さらに遊女へと姿を変えてゆく。(中略)
やがて芸者と呼ばれる女達に連なってゆく。
官許の遊郭である吉原が誕生すると、客の相手をする花魁とは別に宴席を盛り上げる女達が必要とされ、これが芸者の起こりとなる。
西にも芸子(著者は芸妓と書き「げいこ」と呼ばせるのは価値が意図して芸子の表記を用いている)
西の芸子と東の芸者の違いを、「根本的なことを言えば、上方の廓の流れを引き関西の芸子は一夜妻の伝統を色濃く帯びており、江戸の吉原の大夫芸から分化した東京の芸者は芸人としての性格が強い。
最近は、花柳界といえば京都の祇園が代表のように誤解されるが、芸者は元々東のものである。
美貌と色気より技芸が重視されていく明治後半からの逸話も読ませる。』
〜芸者遊びなど縁もなかったが、興味はあった。
高校の先生が行きつけているイッパイ飲み屋(今になって思えば、芸者さんであった女将さんであろうか方が、きっと営業していたのではないかと想像する)
「加藤君この都都逸(?)の一つを知っていれば、将来きっと役に立つよ」と女将さんの三味線に合わせて教えてくれた都都逸(?)は今でも唸れる。
「丸橋や 堀の深さは イクセキあれど〜 サッサ
かかる所へ イズノカミ ”そちゃ、何者なるぞ”・・・・・」と続く
ご覧のように、漢字で書くことは出来ない。 正しく、口伝である
高校時代と書いたが、当時の高校生は皆丸刈りのクルクル坊主頭であったが、こちらは夜間高校生で長髪であったので、頭2つはその面では長けていた。
それでも、先生が連れて行ってくれたのは、卒業式の終わった後であったろうか?
12月10日 朝刊
国土形成計画シンポジウム
「観光と国際交流で魅了ある中部を」〜万博が示した市民参加の力〜
基調講演 愛・地球博広報プロジュサー マリ クリステイーヌさん
『万博が残した大きな財産の一つは、中部の人々にホスピタリテイの心をもてたこと。
アジアをはじめ世界の人々にもっと日本のことを知ってもらうためには、今ある産業や観光の資源を生かすことともに、ここに住む人々が地域でどう人の役に立つかを考え実践すること。
万博の成功はそれを示し、財産として残してくれた。 (中略)
交流には観光する場所とホスピタリテイが大切です。
基調講演のほかに、パネルデイカッションがあり、その中で他のパネリストが語られたこと。
「万博の成功は2200万人が来場したことではない。 世界と交流があった、環境と向かい合った。の二点です。 中部の人はこれを持続する責任がある。
・国際交流は、普段着のお付き合いでなくてはならない。 世界で国際都市といえるのはニューヨークとロンドンだけ。 隣近所の、普段の生活の中にいろんな国の人がいる。
東京は国際色ある都市というだけで国際都市ではない。
〜ほんのチョットであったが、ボランテイアとして万博に参加した者として、体験できた喜びと、少しばかりの自負を持っている。
12月11日 夕刊
「本当に余人に替え難い? 石原都知事、画家の四男重用」
〜福島県、和歌山県、そして宮崎県と続いて「天の声」と知事逮捕。
石原知事は3選出馬を表明したが、どうも少しおかしくなって来たのだろうか。
作家らしく創造的で歯切れの良い話し方に、何時も関心を持って視聴いていたが(日曜日の政治テレビ番組)、こんな記事が載るようでは、東京から日本を変えるなどは出来はしない。
12月11日 夕刊
「ばかな!」 コルバチョフ激怒 エリツイン「ブッシュは知っている」
「ベロベージュ合意」ソ連解体決定の内幕
『ソ連崩壊〜ソ連を構成していたロシア共和国などスラブ系3共和国(ロシア、ウクライナ、ベラルーシ)首脳が1991年12月8日、ソ連消滅と独立国家共同体(CiS)創設を宣言。
これをうけて同21日には、ソ連の全15共和国のうちバルト3国を除く11共和国がCiS加盟に合意。 同25日にコルバチョフ大統領が辞任し、ソ連は崩壊した。
〜時が経ちベラルーシ共和国の元議長が語った。 15年前の話であるが、それからの世界の情勢の変化はめまぐるしい。 当時はパパ・ブッシュが主役、息子のブッシュは今四苦八苦。
12月12日、13日・夕刊より
「ローマ人の物語」(全15巻)完結 作家・塩野七生に聞く
1992年から年一冊ずつ刊行されてきた、大著「ローマ人の物語」が、15日発売の第15巻「ローマ世界の終焉」で完結した。
〜7年前、春日井の図書館で借りてきて第8巻までは読んだ記憶がある。
その後、年に1回の発刊なので、ストップしてしまった。
2年前から世界の歴史を学んでいます。 その中で「古代地中海世界の歴史」は大変興味が持てた講座でした。 この講座の最後は「古代末期と地中海文明の変質」__5〜7世紀でした。
その中に”西ローマ帝国の消滅” ”ローマ帝国は没落したのか?”(没落史観への批判)で終わっていましたが、多分塩野さんのローマ人の物語はそこで終わっていないように思えるのですが・・・・(読んでいないので分かりません)
西ローマ帝国の消滅後の、東ローマ帝国(ビサンテイン帝国)はどのように扱われているのでしょう。 大変興味があります。
が、現在の私の時間配分からすると、この「ローマ人の物語」を組み込むとパンクすることは分かっていますので、もう少し時間をずらそうと思っています。
子供の頃、美味しい食べ物は後に残しておきましたが、この頃は、食べれるうちにと先に食べることにしています。
が、この本は残しておこうかと思っています。
12月14日朝刊より
社説「やらせ質問」 けじめが給与返納とは
「(前略) 平穏に済ましたいという役人の保身がはたらいたのだろうか。 「国民との対話」と言う看板をかかげていたのだから、国民を欺くことは知っていたはずだ。
「やらせ質問」は、国民生活に関わる教育改革と司法制度改革に集中していた。
二つとも世論が割れている問題だ。 報告書は「政府の方針を浸透させる『世論誘導』の疑念を払拭できない」と結論付けた。
「疑念」ではなく、誘導そのものではなかったか。(中略)
首相の給与返納で済む問題でもあるまい。安易な幕引きはいけない。
〜この社説を読む前に直ぐに思ったことは、悪いことがバレたら「ごめんなさい、許してお金上げる」と言っている場面が脳裏を走った。
このところ、民間企業でも、政府・行政においても「内部告発」で様々なことが表に出てくる。
それはそれで望ましいことと思うのですが、何でこんなに次から次なのだろうかと考えてしまう。
自由競争下で生き延びるために、厳しい評価査定や人員削減が続いているためなのであろうか。 グローバル世界の中では仕方ないといっているのではなく、生き方を変える、価値基準を変更することの本質的な変革をしなければ、新しい希望と夢のある時代にはならないのではないかと思っています。
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